購入してみた
それがこちら。
XTAR VC4 Charger
Amazonの口コミなど見てると評判がよく中華製にしては「魂」を感じたので、ポチッ!
きっちり2日後に届きました。
(写真:電池4本充電するにしては結構ゴツイ外観ですw)
中華製のリチウム電池充電器ですが、これニッケル水素充電池も充電可能なんです。それも単1~単5まで幅広く対応しています。とはいえ購入の決め手はそこではなく、充電量の積算表示機能にあります。
(写真:個別充電可能、USB経由で充電というのも便利ですが、何より積算表示機能が)
これまで電池の残量や劣化具合を可視化する手軽な方法はバッテリーチェッカーの利用や充電時間の測定など限られた方法しかありませんでした。かといって内部抵抗を測定するには専用の機器または電子工作の知識が必要で手軽とはいえません。
その点コチラだと充電量が一発でわかるので、終止電圧(1.0V)まで使った後に充電することで今現在のナマの電池容量がわかります。
無論簡易的ですが、寿命の判定や第二線に下げるといった判断がしやすくなります。
電池マニアの端くれ?kyanには何にもまして幸せな瞬間です(笑)
まだ購入したばかりで詳しいレビューは別の回にするとして、今回は実際に測定した模様を。
実際に測定してみた
前回のキャンプで放電したエネループ(『旧エネ』と呼称)を充電。
7年前(2009年9月)に導入して累計で160回ほど充放電を繰り返した物で、他の急速充電器(BQ-396)ではエラーチェックで弾かれたことがあります。
充電結果はコチラ。
No.5→1133mAh/1.55V [※1]
No.6→1083mAh/1.50V
[※1]発熱などのロスがあるため、実際の充量は表示より少なくなります。
[※2]No.XXは、電池のナンバリングです。
(写真:デジタル表記で積算容量がわかるのは楽しすぎですw)
エネループの定格容量はmin.1900mAhなので、単純に約57~60%まで劣化しています。一般に定格の60%を下回ると製品寿命とされるので、これらは既にゴミ?
また、同時期に導入した電池の中でも積算容量にバラつきがあり、劣化具合に差が出てきていることがわかります。
ここでふとリフレッシュ機能を使用して空の状態から充電したらどの位の容量になるかも試してみました。
リフレッシュ機能とは人為的に終止電圧(1.0V)まで放電してくれる機能のことで、きっちり使いきってから充電することでメモリー効果の回復に役立ちます。
出てきたのは
NC-MR58。今は亡きSANYO製品です。リフレッシュ機能のためだけにこの充電器を購入しました。
※メモリー効果については
コチラ参照ください。
(写真:
NC-MR58でリフレッシュ中。充電器なのでリフレッシュ後に自動的に充電モードに入るのが難点)
放電すること数時間…。VC4で再び充電してみます。
その結果
No.5→1608mAh/1.50V
No.6→1645mAh/1.50V
と、かなり回復しました。
いつものバッテリーチェッカーで測定したところ、1.40V/容量130%ありました。
比較対象として、今年5月から使用を開始したパナループ(パナソニックブランドのエネループ、以後『新エネ』と呼称)もリフレッシュ機能にて放電した後でVC4で充電してみました。
こちらはまだ10回も使用していない、ほぼ新品と称してよい電池です。
No.53→2011mAh/1.5V
※ちなみにエネループの容量(1900mAh)を超えていますが、電池本体には「min.1900mAh」と記載されています。
即ち「購入時に最低1900mAh以上の容量があることは約束するよ」という意味なので、1900mAhを超えて充電できても問題ありません。
(写真:2000mAh超えると嬉しいですね~、いつまでもつか楽しみ)
新エネ(2011mAh)と比較して旧エネ(1608~1645mAh)は80%、定格(1900mAh)比だと85%程度まで劣化していることがわかります。
実験からわかる(推測できる)こと
端的に「EX-777XPで新エネ使うと7.5時間明るいけど、旧エネだと6時間明るいよ」
劣化後の電池で正確な時間は計測していませんが、以前のキャンプで連泊時にSOL-036Cで1泊目:旧エネ、2泊目:新エネで入れ替えて使った際には
1泊目と較べて2泊目の方が長時間明るかったことを体感しています。
「繰り返し○回使えます」は眉唾もの
「繰り返し○回」はJIS規格(
JIS C 8708:2013)に基づく測定結果ですが、その内訳は50回の充電につき2回の深い放電と48回の浅い放電を行い、充電容量が定格の60%を切るまでの回数を表示している(筈)です。
一方kyanは基本的にLEDランタンが暗くなるまで、すなわち終止電圧付近までの深い放電を繰り返しています。浅い放電、たとえば「点灯させてから5分で消灯した」なんてことはあまりないため、規格による測定よりは過酷な使い方になります。結果、表記より早い段階で寿命が来ると考えられます。
実際、メーカー(Panasonic)もFAQのしょっぱなからこのように記載しています。
ニッケル水素電池を末永く使うためには、何に気を付けたら良いですか?(Panasonic)
(以下引用)ニッケル水素充電池はJISの規格上は数100回から数1000回の充放電くり返し寿命をうたっておりますが、実際には充電器やご使用の機器が異なる条件下では、JISの試験規格と同じ条件で何100回もくり返し使用することはほとんど不可能であります
※このFAQ、少々専門的な事柄を一般人にわかりやすく記載してあって実にイイ仕事してます。為になるので一読をオススメします。
では、実際はどの位の回数使えるか?
どこまでの劣化(ランタイム短縮を)許容できるかは個人差があるため何回使えるかもバラつきがあると思いますが、
kyanはこれまでの体験よりメーカー表記の1/4~1/5回を寿命の目安としています。すなわち1000回表記の旧エネだと200~250回使ったらランタン用電池としては寿命。2100回表記の新エネだと420~525回。ただ、新エネがホントにそれだけの回数使えるかは些かの疑問が残りますが(笑)
中の素材が経年劣化してそう…
ちなみに、巷ではよく「乾電池ならランタイム○時間、エネループなら△時間」なんて比較した記事を見かけます。
多くの人が気になるのでしょう(笑)
が、上記テストの通り電池の劣化具合によって容量は変わること、可視化が難しい(その人の使用した充電池が定格の○%あるかなんて普通わかりません)ことから、信ぴょう性は
ないよりマシ程度と思われます。参考にする際は複数の方の、それも複数回テストしたレビューを見た方がよいです。kyanの場合も素人テストなので
ないよりマシレベルとお考えください
kyanがランタイムテストする際は、手持ち電池の中で最新品を直前に満充電して使用しています。また、レビュー記載のランタイムは様々な気温下で最低でも10回以上は利用してランタイムを計測し、その平均帯を採用することで極端な結果が出ないよう配慮しています。
劣化した電池をどうするか…?
現状が客観的に明らかになれば、あとは運用でカバーするなり他用途へ転用なり考えればよいですね。
kyanは電池の劣化状況に応じて、長時間点灯しない懐中電灯やヘッドライト、作動に高い電圧を必要としないラジオや無線機器などに使っています。どうしようもなくなった電池はBlutoothのキーボードやマウス、時計や電池式蚊取り線香などなど…。
身近な単3電池機器は意外と多いもんです。
余談ですが…、
この汎用性こそ単3電池の最大の魅力で、近年利用者が増加している単1充電池を導入しない理由でもあります。
単1のイン○ルスは寿命短そうだし…。
感想
あー、久しぶりに楽しい一時を過ごしました(笑)
小学生の頃から電池の不思議な魅力にとりつかれて早ウン十年、LEDランタンというアイテムに出会ったおかげで久しぶりに電池のフシギに(ほんの少しだけ)迫ることができました。
この調子で過ごしていると、春になるのは思ったより近い…?