【考察】クーラーの冷気を長持ちさせる10のポイント

kyan

2014年07月22日 18:12

暑い夏キャンに必要不可欠なのが、冷えた飲み物と新鮮な食材。
しかし肝心な時に限って氷は溶け、ぬるいビールを飲むハメに
あるいは買ってきた肉からは異臭を放ち、泣く泣く処分するハメに…
…そんなことのないよう、本日は冷たさを長持ちさせるためのTipsを書きます。

フィクセル・プレミアム300 ZF-030G (シマノ)


(写真:2011年7月富良野にて。3℃とキンキンに冷えてます)
はじめに知ってほしいこと
「保冷」と「冷蔵」、「冷凍」は異なるものです
そしてクーラーボックスはあくまで「保冷庫」です。
ここをご覧頂いている方は「当たり前では?」と思うでしょうが、勘違いしてる方をキャンプ場でおみかけします。

冷蔵庫と勘違いしてる例
・ぬるい食材を継ぎ足して冷やそうとする
・長時間開けっ放し
・食材が異臭を放つまで庫内の温度変化に無頓着

「冷蔵庫」は常にエネルギー(電気なりガス)を投入し続けているため、冷やし続けてくれる一方、クーラーは保冷剤を投入した最初の時点をピークとして徐々に温かくなります。
したがって限られた冷気をいかに有効活用するかが庫内温度の上昇を防ぐポイントです。
本ページでは、「冷えた状態をいかに維持するか」を眼目として、能力を生かすためのポイントを執筆しています。

※「ぬるいものを冷やす」場合にはモービルクール等の「冷蔵庫」が必要です。

…前置きが長くなりました。早速10のポイントを見て行きたいと思います。

10のポイント
事前準備編~

①事前に食材やクーラーボックスを冷しておく(予冷)
 食材はキンキンに冷やしておきましょう。全ての大前提です。

 そしてクーラーボックス。
 使用開始時のクーラーボックス内部は常温。
 そのためクーラーボックスそのものを冷やすために貴重な冷気を使用します。

 kyanは事前に冷凍しておいた2Lのペットボトルや当日食べる冷凍食品を、
 解凍を兼ねて入れておきます。

②内部に銀マットを使用する
 冷気はクーラーボックスを開閉する際に逃げていきます。
 そこで銀マットで仕切りや上蓋を作り、開閉時の冷気放出量を最小化します。

(写真:保冷しておきたい物を下に置き、上にはさほど保冷を要しない物を入れてます)

③詰め込みすぎない
 クーラボックスの蓋が閉まらない位ギリギリ詰めると、蓋が浮いてしまい
 貴重な冷気が逃げてしまいます。

(写真:2011年4月かなやま湖にて。ここまで詰めると何がどこにあるかわからなくなります)

 (対策)


・嵩張るタッパ類は外して容積削減
・必要量を小分けして容積削減
・複数のクーラーボックスに分散する
 (食材の使用順番や頻度で分けるとより効果的です)
・すぐ取り出せるよう整理整頓しておく
 例)よく使うもの、先に使うもの→上
   冷やしておきたいもの→下

④複数のクーラーボックスを併用する
 クーラーボックスの開閉による冷気放出を少しでも抑えるため、要求される温度、
 食材の使用順番や頻度で分けます。

(写真:ソフトタイプは帰路は潰して帰れるのでかさばりません)

 (使い分けの例)



ソフトクーラー



真空クーラー 




10℃程度で十分な飲料
0℃を要求される生鮮食品


本日使用する食材
翌日以降使用する食材


頻繁に出し入れする調味料類
(バター等)
一回で使いきれる食材 



⑤氷点下パックを併用する
 冷蔵庫の庫内の温度はどのくらいなのか?(Panasonic)によると、


・冷蔵室3~6℃
・チルド室0~2℃
・野菜室3~8℃
・冷凍室-18℃~-20℃

 とのこと。冷蔵室として役立つ6℃までの温度をいかに長い時間確保するか、が
 食材を美味しくいただくポイントといえましょう。

 ところで通常の保冷剤は0℃以下で凍る=庫内温度が0℃を下回ることはありません。
 しかし、氷点下パックを使用することで、庫内温度を氷点下からスタートさせることが
 可能です。

 kyanは-5℃と-16℃タイプ、それに通常の保冷剤を併用し、融けた順番に取り出す
 ようにしています。

(写真:氷点下タイプの保冷剤は融けたら取り出しています)

ロゴス(LOGOS) 倍速凍結・氷点下パックL





当日編
⑥銀マットでクーラーボックスを覆う
 直射日光に晒すと庫内温度は上昇しますので、銀マットで覆って
 太陽光を反射させて熱の吸収を抑え、また日陰を作ります。

 なお銀マットは100均のアルミシートで十分です。

(写真:手近にあった車のフロントガラス用のアルミシートを利用しています)

⑦日陰で風通しの良いところに置く
 ⑥同様、直射日光に晒すと庫内温度は上昇しますので、涼しい日陰に置いておきましょう。
 (テントを日向に設営した場合、テント外の日陰に移動させましょう)
 また風通しをよくすると風が熱を奪ってくれます。

(写真:木陰に置くだけで保ちはかなり異なります)

⑧地面に直接置かない
 地面からの熱によっても庫内温度が上昇します。
 クーラースタンドや台車の上に置く等、地面から放すようにします。
 風通しもよくなり、外部温度の影響をより受けにくくなるでしょう。

(写真:安物の台車でも結構違います)

⑨開閉は素早く、最小回数ですませる
 準備編でお伝えしたとおり、開閉の度に貴重な冷気が逃げて庫内温度の上昇に
 つながります。準備編③④を参考に、極力開閉しないような工夫をします。

⑩融け出した水は適宜捨てる
 最初は保冷に役立った氷も、融けてしまえば貴重な冷気を奪う厄介者。
 定期的に排水しましょう。

(写真:大半のハードタイプのクーラーは排水口がついています)

最後に、これは当たり前ですが…、
⑪氷や保冷剤を絶やさないよう心がける
 氷が無くなった瞬間から庫内温度は急速に上昇しますので、定期的にチェック&補充する
 とよいです。

 また、保冷剤の量は550mlパック1個でクーラー8Lを目安に投入しています。
 手持ちクーラーは30Lなので最低4個、真夏時や連泊の際はより多めに投入しています。

(写真:3泊以上の際には氷を継ぎ足しています)


これらを実践した結果、安物ハードクーラーで2泊、六面真空クーラーで3泊は冷えた状態を安定して維持できるようになりました。また、飲み物用の氷が融けにくくなってお財布に優しいです(笑)

さいごに ~完璧はない~
クーラーボックスを完全に密閉することができない以上、庫内温度の上昇は避けられません。

今回は10(+α)のポイントをご紹介しましたが、無論これだけが対策のすべてではありません。そして今でも試行錯誤を続けていますので、またよいポイントが見つかりましたら続報を掲載したいと思います。
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