突然ですが、火起こし器をお持ちの方ってどのくらいいるでしょう?
アウトドア活動に熱心なナチュブロガーの皆さんはともかくとして、お持ちでない方が多数派ではないでしょうか。そこで今回は「火起こし器や煙突といった特別なアイテムを使わず、
七輪のみで着火する方法」を記載します。
使うもの(優先度順)
1.たきつけ
2.割り箸
3.消し炭
※木炭やチャッカマン(またはマッチ等)は前提ですから、モチロン用意してください
たきつけについて
固めたオガ屑に灯油を染み込ませたもので、製品は3ブロック18片入り(1ブロックが6片)、複数回に分けて使用可能です。これで100円位と、安価かつ効果が高いため常用しています。難点としては灯油を使用しているため、着火直後は黒い煙を出す事と臭いでしょうか。もっとも野外ではkyanはそれほど気にならないレベルです。また、保管はZipロックで密閉すると臭いは最小限に抑えられます。
kyanは文化たきつけを使用しています。
(写真左:使いかけしかありませんでした 写真右:冬を越しても普通に使えています)
他に様々な着火剤が販売されていまして、大まかに「アルコールを使用したチューブ式着火剤」や「チャコールブリケット(着火炭)」がありますが、kyanは使ったことがありませんので、その効果は不明です。たきつけを使っているとあまりメリットを感じないので…。
その他ガムテープでも代用できます。その場合は8の字に切り取って着火するとよいです。
なお、
新聞紙は灰が飛び散って延焼の危険があるためオススメしません。
割り箸について
目的はたきつけの火力を補助し、七輪の中で
プチ焚き火状態を作るためです。
他にも竹串、アイスキャンディの棒など使用済のものを保管しておき、適宜使用しています。
量はあれこれ試行した結果、4膳(=8本)を二つに折って使用しています。
(量は割合適当ですが、これより少ないと感覚的にですが出来上がりに時間がかかる気がしています)
消し炭について
消し炭とは、「まきや炭の火を途中で消して作った軟質の炭」(デジタル大辞泉より)を指します。kyanは、前回のBBQで残った炭を消し炭缶に入れて消火・保存したものを使用しています。着火しやすく高熱を発するため重宝しています。
消し炭がない場合ですが、黒炭はなくても着火します。オガ備長炭など白炭の場合には、無いと着火までの時間がかかるため、マングローブ炭などの黒炭があった方が望ましいです。
さて、これらの物が揃ったら、実際に着火してみます。
着火方法
ヒント
酸素を取り込みやすくするため、七輪は空気孔を全開にして、風の吹いてくる方向へ空気孔を向けて置いてください。
①底部に破片炭と着火剤を置きます
破片炭はなくても構いません(少しでも熱量に還元するべく活用してます)
kyanはたきつけの1片を半分に折ったものを3つ(=1.5片)使っています。
これより少ないと着火時間に影響する一方、これより多くても大差ありませんでした。
(写真:何もない状態→破片炭とたきつけをセットしたところ)
②目皿をかぶせます
③割り箸を入れます
空気が通りやすいよう、写真のようにバラバラに入れた方が燃えやすくなります。
kyanは目皿の穴を利用して、生花のように差し込んで組み立てています。
④消し炭を入れます
割り箸の隙間に、空気の通り道を埋めないよう留意しつつ消し炭を配置します。
⑤炭を入れます
実際に使う炭を、隙間を作りつつ積み重ねていきます。
ヒント
その1:目皿の穴を塞がない
燃焼に必要な酸素が供給されなくなり、炭はいつまでも燻ったままになります。そのため炭を多く入れすぎないのがコツです。目安は七輪からはみ出ない程度です。
初期の頃はよく失敗したもんです(苦笑)
その2:炭はあまり重ねない
炭は下から上に順番に着火していくため、積み重ねすぎると着火時間に影響します。必要量を着火させつつ多くなりすぎない点はコンロによって最適値が異なるため、経験を重ねるしかありません。
その3:真ん中に黒炭を置いて時間短縮
オガ備長炭などを着火する際には、真ん中によく燃えるナラ炭を一本入れておくと、底部から消し炭、中心部からナラ炭それぞれの熱が加えられるためより短時間で着火可能です。
⑥着火!
⑦完成
前回記載の着火時間はここから炭に着火するまでを計測したものです。
(写真は順番に、
オガ炭、備長炭、マングローブ炭のもの)
この方法のメリット
・仰ぐことなく着火します。
・失敗が少ない方法です。
・火が熾きたら、炭を移動させることなくそのまま調理可能です。
・火起こし器を使わないため、火熾しの際に出る熱がそのまま七輪を暖める
エネルギーにもなります。そのため、調理時には七輪の珪藻土から出る熱
も活用するため火力が強くなりますし、炭も燃えやすくなります。
着火のコツ=コンロ内でいかに焚き火状態を再現するか
炭を着火させるためには
「温度」と「酸素」が必要です。手っ取り早く加熱する方法は、焚き火に放り込むことですので、いかに焚き火状態を再現するかが、手早く確実な着火のキーポイントになります。したがって、たきつけ、割り箸、消し炭(または黒炭)、実際に使う炭、いかにしてこれらの間に空気が通る隙間を作ってやるかがポイントになります。
次回は、火起こし器や煙突を使った場合について書きます。
おまけ:
高知で燃料店を経営している方の火起こし方法です。
その昔、「ためしてガッテン」で紹介されていましたので、ご存知の方もいらっしゃるかな?
こちらは新聞紙を使い、たきつけを使わず火起しされています。